仁王様の全身に赤い紙を貼り付けて、
病気の身代わりを祈願するのが
慣わしとなっています。
山門横の護摩堂の前には一対の仁王像があり、
全身に赤い紙が貼られていることから、
赤紙仁王と呼ばれています。
寛永18年(1641)8月21日、
道如宗海上人が田端八幡神社に
奉納したもので、
明治初年の神仏分離の際に、
別当寺であった当山に移されました。
仁王像は、口を大きく開けて息を吸い込んでいる状態、即ち「動」をあらわした阿像と、
口をしっかりと結んで息を止めた状態、
即ち「静」をあらわした吽像から
なっています。
この姿は、密教で説く胎蔵界・金剛界の
二界をあらわすとともに、
宇宙一切のものの始まりと終わりとを
表現しています。
江戸時代初期に建立されたこの仁王像は、
いつの頃からか赤紙(悪魔を消除する火の色)
を患部と同じ箇所に貼って、
病気の身代わりを祈願するのが慣わしと
なりました。阿像から吽像の順にお参りし、
祈願成就のあかつきには草鞋を奉納します。